フロアコーティングとワックスの違い
いわゆるワックスがけも、フローリングに被膜をつくるという点ではコーティングの一種です。
ワックスは液体やシート状の製品などがホームセンターなどで売られており、材料を購入して自分で塗ることができるので、1度の単価はフロアコーティングよりずっと安くてすみます。
しかし、床を保護する性能はフロアコーティングにくらべるとぐんと弱く、水や洗剤をこぼしてすぐ拭かないだけで溶けてしまいますし、スリッパの摩擦などでも取れてきてしまうため、定期的な塗り直しが必要です。
塗り直しをするには家具を動かさなければいけませんし、先に掃除機がけだけでなく入念な拭き掃除が不可欠。汚れが残ったままワックスがけをしたら汚れを閉じ込めることになってしまい、見た目も汚く表面も均一になりません。
ワックスのメンテナンスは重労働
また、塗り直し=塗り重ねを続けていると、いくら拭き掃除をしてからワックスを塗っても、取りきれなかった汚れが層になって黒ずんでくるので、5年に1回程度は専用の剥離剤を使用して塗り重ねられていた古いワックスの被膜をすべてはがしてから新たにワックスがけすることが勧められています。
ワックスにも非常に多くの種類があり、床にどのくらい負荷がかかる生活スタイルなのか、どの程度の美しさを求めるのかで塗り直しの頻度は異なってきますが、ワックスがはがれてフローリングそのものを傷めないようきちんとしたメンテナンスを継続するのはかなりの重労働ですね。
長期的に必要になる費用と労力を総計し、資産価値保持の点も考慮すると、フロアコーティングよりワックスの方が安いとは一概にいえないのではないでしょうか。
ワックスに比べ圧倒的に高機能
ここまで、施工方法と耐久性、塗り直しが必要かどうかについて書きましたが、ワックスとフロアコーティングの違いはもちろんそれだけではありません。主な違いをまとめると下記の通りです。
・施工方法・耐用年数
ワックス: 自分で塗れるが重労働でうまくやらないとムラになる。耐用年数が短く定期的な塗り直しが必要。短いものは1ヶ月程度
フロアコーティング: 業者に依頼。入居中の施工を請け負っている会社は家具の移動もしてくれる。一度の施工で長期間保護。
・水や油、薬品などへの耐性
ワックス: 弱い。水や油でも時間が経つとコーティングが溶けてしまう
フロアコーティング: 水や油をはじく。薬品にも強い
・汚れ
ワックス: 強固な汚れを落とそうとするとワックスごとはがれてしまうことが多い
フロアコーティング: 容易に落とせる
・滑りやすさ
ワックス: 滑りやすい(ペット用の滑り止めなどやや滑りにくい製品もある)
フロアコーティング: 滑りにくい
・安全性
ワックス: 種類も多く、商品ごとに確認を。剥離剤は超強力なアルカリ性で要注意。
フロアコーティング: F☆☆☆☆を取得した安全性が高いものが多い